話題の人事ブログを読んでみた

2014.05.24社長日記
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リクナビ2015 ヨドバシカメラ人事ブログ

中途採用の件、ひと通り面談が終わる来週明けには結論が出そうです。
そして新卒採用活動でも、月曜日に最初の会社説明会を行います。説明会告知が直前すぎて初回説明会はごく少数のエントリーですががんばります。

今日は、話題のヨドバシカメラ人事ブログの記事について考えてみました。

新入社員が退職した。(前編)
新入社員が退職した。(後編)

人事担当者の言っている内容に概ね賛同・共感し、そのアドバイス内容は的確な部分があると思いつつ、あえて退職したKさんの気持ちになって考えると、理屈としてはわかるが、人事担当者の言っていることが完全には腹に落ちず、スッキリしない。

このヨドバシカメラ人事ブログの記事は賛否両論、話題となっているようで、実際に私のFacebookのフィードにもシェアが拡がっていた。

企業が抱える人材教育の課題や採用戦略、入社社員と就活中のひとが感じる切迫感、両者の視点から企業中心社会が抱える就活の矛盾が透けて見える。

入社後の成長ストーリーが事前に摺り合わせできていない。

人事担当者はそのようにキャリアを積んできたのかもしれないが、このセリフは少し押し付けがましく感じた部分です。

人事担当者:
「つまり社会人にとって入社後の10年は、大学で言えば1年生に相当する。たとえば大学の野球部に入部したとして、1年生のうちは球拾いやグラウンド整備、筋トレなど地味なことばかりだろう。」

リクナビ2015 ヨドバシカメラ人事ブログ

社会人一年生にとって初めての入社で仕事が向いているかどうか、続けていくことが出来るかどうかは、向いているかどうかは仕事をしてみないとわからないし、ある程度の期間は続けないと続けていけるかどうかもわからないので、その点では人事担当者に同意するが、それにしても10年間=1年生というのは長すぎやしないかと思う。
もっと最短でキャリアアップ出来るように導いてあげるのが先輩・上司の役割でありたい。

そもそも、よく耳にする「3年で一人前」とか言うから一人前になるのに3年必要になる訳で、会社が新入社員の成長プロセスを提示し導くことが出来れば1年でその職の全容は把握し経験することも可能なはずだ。

会社がしっかりと入社後のビジョンを提示し、
会社を理解するためにも最初の基礎づくりとして販売員の仕事を経験する必要がある。 という説明が不足しているからこそ、

Kさん:
「販売はアルバイトの延長のような仕事。ずっと続けていく気にならないし、自分に向かない」

リクナビ2015 ヨドバシカメラ人事ブログ

という言い分になったのだと思う。
ずっと同じ仕事で辛抱しろと言われている気になったかもしれません。
(あるいはずっと同じ仕事を続けていく職種なのかな??)

それに、この件で一番引っ掛かったのが、「販売はアルバイトの延長のような仕事」に対し人事担当者はきちんと回答できていません。
Kさんは延長という言葉を使ってるあたり、販売の仕事の先にあるビジョンが不明瞭なことに不安を感じていたのではないでしょうか。

 すぐに辞めたからって人間の価値が下がる訳ではない

当社では求職者の転職回数の多さや勤続年数の短さ、を他の企業に比べ評価を低くしていません。
むしろ、様々な組織や業界を体験した人間のほうが魅力的に映り、大学卒業後、ひとつの会社に何十年と勤め続けた人は面白みに欠ける と思うことさえあります。

所謂、第2新卒と言われる人なんかは、若いエネルギーを持ちながら社会の現実を垣間見た人材として非常に魅力的です。
そして、彼らに対し、他社がシビアな視線を向けている点でもありがたい。採りに行く企業が少ない分、転職市場では採用確率が高くなるからです。

それは私が職場を転々としたのちに小さくとも自ら起業したベンチャー経営者であり、自らの過去になぞらえて自己否定したくない口実とも考えられますが、
実際に販促・マーケティングの現場では幅広い業種知識が求められるし、柔軟な奇想力が効果的な販促手法を生み出すこともあるのです。

私自身もアルバイトが長く続かず、”自分探し”を続けていて、
今振り返ると、いや、当時からある程度自覚はあったが、その自分探しは「飽き性・短気・コミュニケーション弱者」だったに過ぎません。

飽き性→好奇心

短気→反骨心、挑戦的

コミュニケーション弱者→人の気持ちに繊細で思慮深い

今では、こうポジティブに自己解釈している。
繰り返される行動は場当たり的でただの風来坊。ただ、対人に関しては思慮深いほうだったと思う。
その性格が新規事業へのバイタリティの源泉となっているし、取引先の状況に合わせて斟酌したり、消費者心理に寄り添ってプロモーション導線や販売手法、商品・サービスのパッケージ改善など、クライアントに提案する内容にも役立っている。

自分探しというモラトリアム期間は社会に出てからも続く

結局、社会の中で役割を持って生きる自分というのは、社会で様々な経験をしないと見つからないのだと思う。
見つからないというより、探せない。自分探しの根拠は成功体験や多様な経験で培われた感受性からしか作られない。

そして、新卒採用というのは、社会経験の乏しい学生を会社の価値観に染めていくいやらしい行為の一面がある。
価値観の形成がまだ弱く、経験の乏しい学生への篩(ふるい)としての学歴や性別などの外形的基準は、あまりにも無機質だし「人を生かす経営」との矛盾を感じずにはいられない。

それとも、優れた採用者であれば新卒社員の将来像をその社員以上に予見し、彼らが数年後に持ち合わせているであろう仕事や人生に対する価値観も明察できるのだろうか?

そんなの絶対に無理だろう。
やはり型にはめて会社と同一の価値観へ染める作業をしていくに違いない。

結果、数年後に見事残った社員は同じ方向を向き、会社の理念実現に邁進しているだろう。残った社員は会社の思惑通りになったから必然と残ったことになる。
そして途中で辞めた社員に対し「根性がない」だの「これだからゆとりは」などと吐くのだと思う。

もちろん、純粋に価値観の一致が図られ、会社・仕事が好きになりまっすぐに活躍する社員もたくさんいると思うが、その会社は良き先輩・上司に恵まれ、本人の志向性に沿って人格を育んだ数少ない良い会社だと思う。

それだけ、求職者にとっての会社選びは難しく、ギャンブル性の高いのが実態。
間違えて入社し、Kさんのように退社となったあと、世間は冷たい。

と、まぁここまで綺麗事を書いておきながらも、当社も人材教育で自慢できるようなしっかりした仕組みは無い。理想的な計画的な採用活動も充分ではない。
当社も、その他の企業も就職のミスマッチを無くすために模索しているし、社員の人生を豊かなものにしたいという想いを持っている。

しかし一方では企業経営とは合理性追求をしながら会社を持続発展させる責任があり、社員にとって不条理な、ドラスティックな経営判断も起こり得る。
このパラドックスを抱えながら現在の企業中心社会が続き、両者にとって不幸なマッチングが繰り返されているのでしょう。

choice
10日で辞めたKさんも、見込みが甘すぎた点はある。ひょっとしたら入社日前から悶々と違和感を感じていたのかもしれない。

”就職とはお見合い結婚だ”とよく言ったもので、会社も学生もお互いのことをよく知らないまま結婚しては不幸になるということです。

でも、離婚は今や当たり前。どうしても合わなかったらお別れもしょうがないよね。

就活がうまくいかず焦っている学生さんも、この時期、早々に退社を決めた新入社員の方も、少し肩の力を抜いて自分らしくやっていけばいいと思います。

そして私は、今日も働きながら自分探しを続けています。

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この記事の投稿者

川路 博幸

川路 博幸 代表取締役 googele+ facebook twitter

人生万事塞翁が馬。長いフリーター期間を経て2006年、(株)川路蒼藝舎を創業。客に媚びない強気姿勢に定評があります。ここ数年、サボっていたので今期は腰を据えて会社経営に取り組みます。最近ヘルニアがヤバイです。腰。

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