小規模事業者が海外事業を開始するとき

2014.05.11マーケ,海外
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川路です。一部ではKJと呼ばれています。

今、清掃業界の展示会 ISSA INTERCLEAN Amsterdam 2014(at オランダ/アムステルダム)に来ています。

 

Amsterdam RAI Convention Centre, Amsterdam, Netherlands

世界最大規模の展示会ということもあり、出展するメーカーも670、来場するバイヤー・各国清掃業界企業担当者は50を超える世界中の国から多くの関係者が来場している模様です。

 

http://europe.issa.com/?id=aboutissa

 

私は今回、日本のクライアント企業のコーディネートで同行しています。

この案件は、商品力のある海外のクリーニングツール(モップや洗剤等の清掃小物)を発掘し、日本の代理店として契約サポート、その後の国内セールスのマーケティング戦略立案、販促物制作がミッションです。

 

具体的にはヨーロッパスタッフによる商談通訳やアポイント代行にはじまり、宿泊/交通手配や滞在期間中のあらゆるアテンドを行うこととなります。

 

今回の滞在では展示会視察に加え、有力提携先であるメーカー(オランダ/ハーグ本社)でのワークショップと商材知識を得るための使用レクチャー等、国内販売に向けての研修日程があります。

行程中には世界のエージェント達との懇親を図るディナーも用意されていました。

至れり尽くせりのおもてなしを受けてクライアントも興奮気味です(?)

海外メーカーの商材を日本市場で代理店として販売したいという話はよく聞きますし、実際に相談が多い案件です。

今回は、中小企業(特に小規模事業者)が海外事業に取り組むにあたって整理すべきかなという点をいくつか書いてみます。

当面の壁は言語・コミュニケーションでほとんど解決する。

 

日本の中小企業が、魅力ある商材を武器とするため海外メーカーの総代理店となるには多くの障壁があります。

海外市場で商売するのはさらに大変なことです。

 

・言語
・コスト
・商取引慣習
・継続的なコミュニケーション

 

代表的なのは以上の点ですね。

中でも、最も大きな障壁として真っ先に挙がるのが言語の問題でしょう。
日本中小企業経営者のほとんどが多言語を扱えません。
言語という大きな壁により、渡航後ホテルに辿り着くのが一苦労なんてことが多々あります。

次に、コストです。特にヨーロッパとなると、フライト費用だけで十数万円、宿泊費は展示会日程に合わせると高騰し、一泊5万円かかることもしばしば。1週間を2人で行くと合計で70~100万overとか。

その他に通訳を依頼したりレストランで食事したり、勇ましい中小企業経営者の方達はナイトライフをしっかり愉しみますので、たくさんの費用がかかります。
日中どんなに疲れていても、夜になると目が輝いてくるのは不思議ですね。

・・・このように、少なくないコストが負担となり、海外への挑戦に躊躇することも見受けられます。

また、海外企業との取引が初めてで漠然と不安である とか、商品のオーダーの仕方が従来と違う とか、依頼したモノが届かない、数量が足りない とか。

取引慣習の違いが双方の不安、不信につながったりもします。

海外事業を行ううえでの障害や課題アンケート

 

実際取引してみたら、案外スムーズに取引できるものです、と言いたいところですが、当社の経験上、こちらの思惑通り、或いは事前に取り決めのあったとおりに取引が完了することはあまりありません。

必ずと言っていいほど、何らかのプチトラブルが起こります。
問題の大小あれど、毎回何かが起きます。金額や数量、納期が約束通り遂行されないのです。不良品、欠品とかも。

 

取引における諸問題をクリアーしていくには、やっぱり言語が必要なんです。
言語に堪能な担当者・経営者が応対しているのであればそうしたトラブルを未然に防ぐことができますし、減らすことが出来ます。

共通言語で地道にネチネチと心配事の確認をしていくと、解釈の違いや抑えて欲しいポイントを理解してもらえたり、ちょっとしたプライベートな話からお互いを知り、信頼関係を築けたりします。

やっぱりトラブル数削減とコミュニケーション量は比例するのではないでしょうか。

 

そして、現地企業との問題解消や事前予防には英文(もしくは他言語)による契約書作成も必要ですし、取引過程でもコミュニケーションを取り続ける必要があります。

社内に言語対応できる人がいなければ、有能な通訳者に依頼するしかないでしょう。
スポットでの通訳手配が一番コストがかかります。出来れば有能な通訳者に依頼し続けるのが望ましいと思います。

トラブル対応やリクエスト伝達、業務上の日々のコミュニケーションが丁寧に実行されれば、無用な労力・支出を抑えることになるはずです。

Point:視察時のみの通訳者では、継続的コミュニケーションはできません。

海外 → 国内のローカライズが肝要。

様々な障壁を解決し、メーカーの商材を国内市場で販売できる権利を得たからといって安心できません。

営業力の高い企業や既にセールスネットワークを持っている企業でも、市場にマッチングさせなければなりません。

よくあるのが、海外で販売されている営業手法・プロモーションのまま国内営業をスタートして、営業先ではどこか響かず、目論見が外れる。

インポートの場合、商材自体の特徴や強みを日本市場に向けてローカライズすることが重要なポイントです。

メーカー国での成功事例をそのまま持ってきても市場が違えば客の属性も異なります。

ここをサボってしまうと、せっかくの苦労が少なくない資金投下と共に水の泡となり、「こんなはずじゃなかった、もっと売れると思っていた」となってしまうのです。

よく考えれば当たり前のことです。

 

販促に使うパンフレットやWEBサイトも、ただ翻訳するだけでなく、市場に合ったライティングや訴求ポイントの整理が必要です。

海外でウケていた商材の強みが、国内では訴求しないこともよくある話ですし、当人が気にもしてなかった機能性が国内でウケたりします。
マーケティング、営業戦略立案は第3者の評価も交えながら実施されるべきでしょう。

 

Point:仮説実行、軌道修正のスピードがローカライズを加速させる

 

成功可否=(協力者+資金計画)×実行力

私が思う必須ポイント3つです。

1. 現地国に拠点を持つパートナーと組む
2. 海外事業予算として融資を含む資金計画をしっかりと企てる
3. スタートダッシュできる馬力・実行力。

現地企業と現地語でコミュニケーションがとれるパートナーと組み、マーケティング/ローカライズもサボらない。

大抵の失敗はどこかでサボっているか、全部自分でやろうとしてうまくいっていない。
特にマーケティングはサボりがちな気がします。

あまり慎重になりすぎて行動を起こすのが遅くてもよくありませんが、資金面や販売戦略は用意周到に行うべきです。
先の計画が明確になれば腹が据わってくると思います。

事業資金の調達をスムーズに行うためにも普段から金融機関へ事業説明と進捗報告をしていきましょう。会計士への相談も忘れずに。
※会計士は商売使命上、海外事業というリスクに対して非常に慎重です。しっかりとビジョンを提示し資金調達の協力を仰ぐと心強い味方になります。

最後に、とにかく経営者が海外の現場最前線に立ち、陣頭指揮を取るべきだと考えています。

社内の協力体制、推進力を引き上げる説得力を持つのは経営者の体験、志に基づく経営方針です。
トップの率先垂範・実行力無くして成功はありません。

私は私自身が苦労・失敗した経験から、クライアントの海外案件では必ず現地スタッフもしくは現地パートナーとチーム編成しプロジェクトをサポートしています。
海外事業はまだまだ先行有利です。一緒に、どうですか?

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この記事の投稿者

川路 博幸

川路 博幸 代表取締役 googele+ facebook twitter

人生万事塞翁が馬。長いフリーター期間を経て2006年、(株)川路蒼藝舎を創業。客に媚びない強気姿勢に定評があります。ここ数年、サボっていたので今期は腰を据えて会社経営に取り組みます。最近ヘルニアがヤバイです。腰。

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