なぜ、参入市場の選定に定性調査が必要なのか。

2014.06.14マーケ
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販売促進の仕事をしていると、取引先の社長から事業成長ストーリーなどを聞く機会が多くあります。 当然、事業を語る上で重要な市場規模についても伺うことがありますが、特に、若い経営者から聞く市場規模には、だいたい3つのパターンがあります。

1.同業社数
2.対象顧客数
3.聞きかじった人口統計

いずれも「量」だけをなんとなく調べて市場規模を把握しています。 ネットで調べたり、人から聞いた数値を根拠に堂々と事業計画書に盛り込んでいます。

市場規模が大きければそれだけで良いわけではない

市場規模が大きいことは既に顧客が多くいる証であり事業をスケールさせるためには重要な指標です。

志高く事業の成功を目指すには勝負する世界の市場規模は大きくあるべきだと、成功を収めた諸先輩方からもよく伺います。

しかし、量の調査だけをもってその市場で勝負をするのはあまりに博打ではないかと思います。

「魚を沢山釣りたいから太平洋で釣りをします。」

みたいなもので、

 

1.同業者数・・・「あそこには何故か多くの釣り人がいる」

2.対象顧客数・・・「魚は海に大量にいるに違いない」

3.人口統計・・・「生態系のバランスが崩れ、○○という魚が増えている」

 

このように、当然広い海には魚は沢山いますが、具体的にどこでどのような魚をなんの釣具で餌はなに・・・?というものが欠如しており、甘い定量調査止まりとなっています。

 

また、日本では高齢化社会や人口減少が社会問題となっていますが、必ずしも市場が縮小したからといって商売ができないわけではありません。 イノベーションの余地がある産業かも知れませんし、縮小していても依然として規模が大きい市場かもしれません。

自社のリソースで残存者利益を獲得し続けれる市場かもしれません。

 

また、定量調査は数値で全体把握をしますが、多くのサンプルと「何を」「どう」聞くか、 質問の仕方で調査結果が大きく変わることもある、非常にセンスが問われる調査方法でもあります。

※私は釣りをやりませんので、例えが間違っていたらすいません。

定量調査と定性調査

 

参入する市場を丁寧に分析するためには、定量調査と定性調査の2点を行い検討することが大切です。

定性調査から得た情報をヒントに、定量調査の回答項目を設定することも可能になるのです。

先述の魚釣りで言えば、対象となる魚の好む季節や、なぜ今この魚が多くいるのか、好みの餌は何なのか、他の釣り人がうまく釣れていない理由は何であるのか、等、

様々な角度から魚と魚の泳ぐ環境や釣り場環境を知り、競合する釣り人の成果などを聞きながら魚の気持ちを読み取らなければなりません。

これが定性的な調査です。

ペルソナマーケティングともいいますが、便宜上、ここではペルソナ(ターゲットとなる象徴的顧客)分析を通じて市場を探る行為のことを定性調査といっています。

 

競合する釣り人がAという魚を多く釣っている場合、後発の釣り人は釣り場も十分に確保できないケースがあるかもしれませんので、他の餌を使ってBという魚を沢山釣ることも考えることができます。

Bという魚であれば市場占有率を高く獲得することが出来るかもしれません。

これがリソース乏しい若い経営者やこれから起業する方の新規事業参入における正しい市場選定であると思います。

 

定量的な調査だけでは持つべき武器もわからないということになりかねません。 定性的な調査を行うことで、具体的な顧客をイメージすることができ、新たな戦略も見つけられると思います。

定性調査から得た情報をヒントに、定量調査の回答項目を設定することも可能になるのです。

正しい市場選定は顧客を知ることから

 

大企業のように調査予算が使えない中小零細企業にとって、シンクタンクへアウトソーシングすることや 大量のアンケート回収などの方法での市場調査はあまりできません。

少ない根拠ではあるが、正しく多面的な市場把握を行うことが出来れば多くの販売戦略を構築することができます。 正しい市場把握は未来の顧客を知る事にもなり、先回りして顧客のニーズを満たす製品開発もできるかもしれません。

 

定量調査 定性調査 定性調査から得た情報をヒントに、定量調査の回答項目を設定することも可能になるのです

 

こうして、顧客がもっている不満、不安、感謝、喜び、趣味嗜好、購入背景、使用用途 などから 経営者は顧客属性を理解し戦略仮説を立案していくのです。

 

市場調査は定量調査だけにあらず。定性調査を行うことで、新たな市場獲得機会の発見も。

 

最後に、定量調査をインターネット上で調べる事ができるWEBサイトを少しご紹介します。

 

日経デジタルショップ
https://store.nikkei.co.jp/

日経テレコン
http://t21.nikkei.co.jp/

経済産業省
http://www.meti.go.jp/statistics/index.html

中小企業白書
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/

調査のチカラ
http://chosa.itmedia.co.jp/

 

正しい市場選定はその後の製品開発と販売戦略の方針を左右する重要なフレームワークです。 調査手法は様々ありますので、それぞれの手法はまたの機会に改めて紹介していきたいと思います。

 

 

 

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この記事の投稿者

川路 博幸

川路 博幸 代表取締役 googele+ facebook twitter

人生万事塞翁が馬。長いフリーター期間を経て2006年、(株)川路蒼藝舎を創業。客に媚びない強気姿勢に定評があります。ここ数年、サボっていたので今期は腰を据えて会社経営に取り組みます。最近ヘルニアがヤバイです。腰。

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